ひどく不安定な瞳で、何かを探している。

たとえば、自分の居場所。
たとえば、撫でてくれる優しい手。
たとえば、しあわせのかたち。

今日も耳に届くあなたの声をだいじにだいじに紐解きながら、丁寧に包まれていくのを感じる。届かないはずの温もりを、思わず求めて涙が伝う。

泣いてるの?とあえて問わない優しさが愛しい。だから、あたしは大丈夫と、根拠もないのにそう言って笑った。

しあわせのかたちは小さな輪っか、撫でてくれる手は今は遠くて、自分の居場所はその声がするほうだと思ってる。不安定な瞳で遠くを見つめて、静かに、平安を祈った。

 「不安定」 06.04.12