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行くアテもないのに、僕はただふらふらと風に吹かれながら歩いている。これを、彷徨う、と言うのだろう、きっと。

ふと見上げた空で、飛行機雲が躊躇いのない軌跡を描いた。一本の、白線。青い空に良く映える。その空の下には、迷ってばかりの僕の足跡。

僕はどこへ向かえばいいのだろう。指し示すアテもないままに伸ばしたひとさしゆびに、一匹のテントウムシがとまった。

そいつは僕の指の上でしばらく休憩してから、意を決したように羽を広げまっすぐに飛んでいった。思いのほか大きかった羽と躊躇いのない旅立ちに、何故だか敗北感を覚えた。

おいてけぼりにされた僕は、離れてゆく小さな影を、目で追うしかなかった。

 「テントウムシ」 06.04.05