一歩ずつ歩いて、一つずつ落として、追いかけた夢が拾えなかった分だけ僕はからっぽになってゆく。

軽くなってゆくかばんが淋しくて、一生懸命「現在」を詰め込んだら、思い出に縛られて動けなくなったので、今、僕は立ち往生している。

これではダメだ、とかばんに入れた「現在」を捨て、今度は「未来」を詰め込んでみた。そういうわけで、今、色褪せた夢だけが手元に残っている。

未来は現在にならず、現在は過去になってゆく。

そんな僕には何も残らず、ただただ、僕はからっぽになってゆく。

 「からっぽ」 06.04.04